帝の御前に桐壺の更衣が光の君を抱いて進むの図。

桐壷


いづれの御時にか、女御・更衣(にょうご・こうい)あまたさぶら ひたまひけるなかに、いと、やむごとなき際(きわ)に はあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。


いつの時代の帝のときであったでしょうか、女御や更衣が、たくさんお仕えなさっている中で、もっとも身分が高いというわけではありませんのに、帝の特別な寵愛を得たがいらっしゃいました。

前世でも、縁が深かったのでしょうか、他にはいないような清らかな玉のような お子までお生まれになりました。

桐壺の更衣はおそれ多い帝のご加護を頼みにしていたが、更衣を中傷する人が多く、病気がちで、かえって気苦労なさいました。

その年の夏、桐壺の御息所(みやすどころ)は軽い病気になられて里に帰られました。そして、里でお亡くなりになってしまいました。

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